
電気自動車(EV)の充電器には、単に電気を供給するだけでなく、「通信機能」を持つタイプが増えています。これらは「通信機能付き充電器」と呼ばれ、次のような目的で通信を行います。(通信機能の比較は別コラムで紹介します)
通信手段としては、携帯通信(LTE/5G)、Wi-Fi、Bluetooth、LAN他有線が使われ、設置場所や用途に応じて選択されます。
ただし、充電器が通信できるだけではシステムとしては機能しません。背後には充電器の情報を受け取るクラウドシステム(センターシステム)が必要であり、ユーザーのスマホアプリや決済サービスと連携して初めて「充電サービス」として成立します。
EV充電サービスにおける「決済」とは、充電の利用に応じてユーザーから料金を徴収するしくみです。かつてはICカード方式(例:会員カード)が主流でしたが、現在では以下のような決済手段が使われるようになっています。
欧州では「OCPP(Open Charge Point Protocol)」や「OCPI(Open Charge Point Interface)」といった共通の通信・決済プロトコルが広く導入されており、充電器メーカー・決済事業者・アプリ開発者が共通仕様で連携できます。これにより、アプリに自分の充電器を登録するだけでサービス提供が可能というシンプルな構造も実現されています。
一方、日本では、
これらがバラバラに構築されており、仕様も統一されていないため、同様のサービスが各社で個別に立ち上がった為コストも割高、相互接続も進みにくくになっているのが現状です。最近はオープンな通信プロトコルに対応した充電器が補助の対象になっていますが、実際の切り替えや連携が無料で簡単に行えなければ意味がないかもです。
EV充電サービスは「充電器」だけで完結するものではなく、通信・クラウド・決済・アプリが連携することで成り立っています。
今後は、競争領域と協調領域を整理して共通仕様(OCPP/OCPI)の導入や相互運用性の確保が、日本においても重要な課題となります。
ユーザーにとっては、どこでも同じように使えるという安心感が、EV普及の鍵を握っています。