電気自動車(EV)充電器のトラブル事例と原因・対策

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電気自動車(EV)充電器のトラブル事例と原因・対策

EV充電を利用していると、

  • 充電が始まらない
  • 充電が途中で止まる
  • 充電量が思ったより少ない

といった現象に遭遇することがあります。
充電器の画面にエラー表示が出れば比較的原因は特定しやすいですが、実際には表示が出てないのに充電できてないケースも珍しくありません。

1.トラブルではない「充電量が少ない」ケース

トラブルと勘違いされやすいのが、外部環境や車両の状態による充電量の減少です。
例えば、

  • 外気温が極端に低い・高い
  • 車両バッテリーの温度が低すぎる/高すぎる
  • 充電器が出力を自動で制御している

これらの場合、機器や車両は故障していません。安全性やバッテリー保護のために、意図的に出力を抑えているのです。

2.普通充電と急速充電の違いと故障傾向

  • 普通充電器
    構造がシンプルで、通信も接続確認やリレー制御程度なので故障はほとんど発生しません。保守は充電ケーブルの使い方と経年劣化対策程度です。
    ただし一般の方がケーブル交換が出来る製品はありません。交換費用はケーブルとコネクターのセットと作業費も含めると数万円かかります。充電コネクタやケーブルを車で踏んだり、引っ掛けない様に注意しましょう。充電をする際毎回同じ向きに移動したり、ケーブルをきれい収納する為に同じ方向に巻くとケーブルがねじれてキンクになります。それを引っ張って解くと内部の細い通信線が断線しで充電が出来なくなります。外から見でわからないので原因究明に時間がかかります。(GC-PF開発品のC-stickを使えば簡単に判断できます)。充電してない状態ではケーブルに電圧がこないので、誰でも交換が出来る補修品を誰か開発してほしい感じです。
  • 急速充電器
    高電圧・大電流を扱うため構造が複雑で、特に高熱を発する電源ユニットの故障は起こります。利用率が高く、連続使用されるほど故障リスクは上がります。
    電源ユニット交換などの修理は専門知識が必要で、対応可能な技術者も限られるため、保守費用は高額になりがちです。

3.充電の仕組みとエラーの原因

  • EVと充電器はコネクターを挿すと通信を開始します。

    • 普通充電は「接続確認 → 出力情報伝達 → リレーON/OFF」だけのシンプルな流れ。
    • 急速充電は「絶縁監視、コネクターロック、電池残量・電圧・電流のやり取り」など複雑な制御。

外的要因で充電器が動かなくなる要因

・通信線や電路へのノイズ

・雷などのサージ

・Wi-Fi/Bluetooth/有線LANの通信エラー

・ルーターやHUBの不具合

4.よくある物理的・人為的トラブル(利用時や施工時)

・充電コネクターの半差しや抜けかけ

・車の充電タイマー設定忘れ

・認証時間のタイムアウト

・同時認証の競合

・ケーブル断線やコネクター破損

・電圧設定ミス、配線締め付け不足、アース未接続

・UIや操作体系の複雑さによる誤操作(カードやアプリの種類が多すぎて間違える など)

5.トラブル発生時の基本確認フロー

  1. 充電器への電源供給確認
    → 来ていなければ電気設備側の問題。来ていれば4へ
  2. 充電器の一次側ブレーカー確認
    → 漏電表示があれば漏電の確認。なければ断線や事故の可能性があり電源を入れるのはNG。過電流でトリップしている場合は設計ミスです。
  3. 分電盤メインスイッチのトリップ確認
    → 漏電表示があれば漏電の確認(負荷の漏電が集まります。過負荷の可能性もあります。その場合は充電器の使い方の説明不足か設計ミスです。
  4. 充電器の動作確認
    → 車両でなく、専用ツール(例:GC-PF開発品 C-stick)でチェック。
  5. 通信・ネットワーク確認
    → ログ解析により現場に行かず原因を特定できる場合あり。
  6. サーバートラブル、システムやアプリのバグ等                     →障害の確認~対策。

6.急速充電器の現場対応ポイント

  • 充電器への電源供給の確認→ 来ていなければ電気設備側の問題。
  • エラー表示があればメーカーの対応フローを実施
  • エラー表示なし → 電源確認 → 再起動で復帰する場合も多い
  • 通信・ネットワーク確認、サーバーやシステムトラブルは普通充電器と同じ様に発生します
  • 海外製や実績の少ない機種はCHAdeMO規格の解釈差で相性問題が起こりやすい。

まとめ

充電トラブルは機器の故障だけでなく、環境要因・通信エラー・人為ミスなど多岐にわたります。
特に急速充電器は構造が複雑で保守コストも高く、普通充電器と同じ感覚では運用できません。

最初に「電源確認」と「ツールによる動作確認」を行うことで、多くのトラブルは早期解決できます。
また、ユーザーが操作を迷わないUI設計や、ケーブル交換のしやすさなど、メーカー側の改善も今後の課題です。

GC-PFではトラブルフロー検討等の相談もお受けします。

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