
自動車産業は『電気でリセット』される──新興国がBEVを選ぶ理由と、誤解しがちな「HEV中心の論調」
国内メディアでは「HEVが再注目」「BEVは踊り場」などの論調が目立つ。
しかしそれらの多くは 日本国内の事情だけを見た議論 であり、
世界、とくに 新興国市場で起きている本質的なゲームチェンジ を捉えていない。
新興国・成長市場が向かう方向は極めてシンプルだ。
・ガソリンスタンド網を新設するのは莫大なコストがかかる
・今更化石燃料のインフラを作るのか?
・既存電力インフラをベースにした充電インフラの方が早くて安価
・スマホ・インターネットが無線で一気に普及したのと同じ構造
→ 新興国はEVのほうが合理的
・中国勢が次々と海外工場を建設
・バッテリーとEV生産は雇用・投資が大きく、政府も積極的
→ 今後成長する産業を呼び込める=BEVが主流になるのは当然
HEVは「日本の得意分野」だから日本市場では強い。
しかしそれは日本の事情であり、世界の競争軸ではない。
ガソリンは 新規インフラ整備が重い。
生活インフラ(電気と水)すでにある。
差は圧倒的だ。
新興国政府が選ぶのは当然こうだ。
「追加のインフラコストが低く、自国で開発できる可能性があり成長が見込まれる産業」=EV
東南アジアや南アジアでは圧倒的に二輪が多い。
ここが一気にEV化すると、
「充電=当たり前」 の社会環境が整い、四輪EVも一気に浸透する可能性が高い
最重要ポイント
ユーザーの本質は
これを満たせば、
「ガソリン」「ハイブリッド」「EV」「ディーゼル」など関係ない。
たとえばスマホで「AndroidかiPhoneか」で悩む人はいても、
値段と性能のバランスが良ければ、中国製だろうと新興ブランドだろうと売れる。
車もまったく同じ構造になる。
そして、世界で最も価格を下げられるのは大量生産が進むEVである。
それが中国の戦略で世界中が巻き込まれている感がある。
国内の記事は「日本でHEVが売れている」「海外でも再注目」などを並べる。
しかし、それを産業論と混同すると危険だ。
① 日本はガソリンスタンド網が既にある
→ 既存インフラのしがらみが判断を鈍らせる
② 日本はHEVの技術蓄積が世界トップ
→ 日本の強みを「世界の当たり前」と誤解する
③ 日本市場だけを見ている事が多い気がする
→ EV市場の成長の中心は中国+新興国。日本の事情は世界の例外。
つまり、
日本市場の数字を世界の本流と勘違いして論じる事が多すぎる
EVがいま乱売・価格競争になっているのは、
普及初期に必ず起きる正常な現象。
そして次の段階で必ずこうなる。
そうなったとき、ユーザーはこう考える。
「結局、安くて維持費が安いならEVでいい」
そしてメーカー側もこう判断する。
「世界を相手にするならEVをやらなければ産業が残らない」
これは価値観ではなく、産業構造の話だ。
世界市場のゲームチェンジはすでに始まっており、
EVを軸にした新産業構造が形成されつつある。
日本がHEV中心の議論で時間を浪費すれば、
間違いなく「世界の競争」から取り残される。
必要なのは、
日本もEVユーザーを増やして日本の自動車メーカーの後押しすることなのかもしれない
中国メーカーに勝てるかどうかは別として・・・